昨今、コストパフォーマンスと似た言葉でタイムパフォーマンスという言葉が浸透し始めています。かけた時間に対する効果(時間対効果)という意味ですが、この考えは動画を視聴するときにも重要視されています。
わかりやすい例がショートムービーの流行です。ショートムービーの流行は、「1本の動画を視聴するのに時間をかけたくない」というユーザーのニーズが反映されていると言えます。また最近では、ショートムービー以外の動画を見るときでも、倍速設定が当たり前という人が多いです。
これらのことから、現代のユーザーはタイムパフォーマンスを重視し、「短い時間で効率よく情報を処理したい」というニーズを持っていることがわかります。
インスタには、このユーザーのニーズに応える機能があります。それがリールです。インスタもユーザーに対してリールでの投稿を推奨しており、リールの使いやすさを向上させるためにリール専用のタブをホームに設置しています。
ただ、2020年8月に実装された比較的新しい機能であるため、リールをうまく活用しているユーザーはあまり多くないようです。
そこで本記事では、インスタのリールの基本機能やメリットを踏まえ、動画や静止画といったリールの作成方法について紹介します。また、リール作成で便利なおすすめアプリとリールをインスタのおすすめで表示させるコツも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
インスタのリールとは?基本機能を紹介!
まずインスタのリールでどのようなコンテンツを作成でき、どこに表示されるかを把握しておきましょう。
- 最長90秒の縦動画を作成・投稿ができる
- リールが表示される場所
作成できる動画の長さや表示される場所を知ることで、「どのような動画を作るべきか?」をある程度予想できます。
すでに機能を知っている人も、再確認のためにチェックしてみてください。
最長90秒の縦動画を作成・投稿ができる
インスタのリールとは、最長90秒の動画をスマートフォンの画面いっぱいに表示できる機能のことです。見ている動画の再生が終われば、スクロールして別の動画に移れます。
リールは編集機能に優れています。そのため、動画の素材が多少物足りなくても、編集機能を活用することでユーザーにインパクトを与える動画が作成可能です。
編集できる主な内容は以下のとおりです。
- サウンド
- 再生時間(15秒、30秒、60秒、90秒)
- 動画の速さ(5倍速まで対応している)
- 画面のエフェクト(フィルター、AR機能など)
- スタンプ
- タイマー
- タッチアップ(明るさ)
- テンプレート機能
AR機能のARとは拡張現実のことです。AR機能は、スマートフォンの画面に映っている本物の景色に3Dキャラクターや画像を表示できます。
テンプレート機能は、他のユーザーの動画をテンプレートとして使用できる機能です。気に入った動画で「テンプレートを使用」を選べば、そのフォーマットを読み込んで自分の動画のテンプレートとして使えるようになります。この機能を利用すれば、より簡単に動画を作成できます。
ただ、3つ以上のクリップで構成される動画でなければテンプレートとして使用できません。
リールが表示される場所
リールが表示される主な場所は以下のとおりです。
- プロフィール画面のリールタブ
- フィード
- 発見タブ(画面下部にある虫眼鏡アイコンをタップすれば表示される)
- リール専用タブ
発見タブでは、動画一覧にもリールが表示されます。
プロフィール画面では、リールアイコンが表示されていればリールを閲覧可能です。閲覧できる動画は過去に投稿したものになります。
フィードでは、フォロワーの中にリールをシェアしている人がいれば自分のフィード画面にもリールが表示されます。
また、リールの長さが15秒以下であれば、ストーリーズで共有も可能です。
インスタでリールを活用するメリット3選
インスタでリールを活用する主なメリットは以下のとおりです。
- アカウントを見つけてもらいやすい
- フォロワーが増えやすい
- インスタアカウントの価値が上がる
この項目でリールのメリットを把握しておけば、初めてリールで動画の作成や投稿をする場合でも、そのメリットを生かした効率のいい運用ができます。
効率のいい運用の第一歩として、メリットの内容をしっかり把握しておきましょう。
アカウントを見つけてもらいやすい
リールは、自分のフォロワー以外のユーザーにアプローチできるのが強みです。
具体的には、リール専用タブと発見タブで自分のリール動画がおすすめに表示されれば、より多くのユーザーに動画を認知してもらえます。リール動画の認知が拡大すれば、アカウントのアイコンを覚えてもらえたり、プロフィールを見てもらえたりなどのメリットがあります。
自分のリールをおすすめ表示させるためには、インスタに歓迎される動画を投稿することが大切です。
インスタでおすすめに表示されやすいリール動画の主な種類は以下のとおりです。
- 笑わせる、大きな注目を集める、驚きを与えるなどの楽しい動画
- 参加しやすく、トレンドの起爆剤になりそうな動画
- クリエイティブツールを駆使した動画
逆に避けるべきとされる動画は以下の内容になります。
- 解像度が低い視聴しにくい動画
- テキストが画面の大部分を占める動画
フォロワーが増えやすい
リールで動画を投稿すると表示される場所が増え、フォロワー以外のユーザーに見てもらえるのでフォロワーが増えやすくなります。
特に発見タブは、その名のとおりコンテンツを探すためのタブなので、発見タブでおすすめに表示されると露出が増えてフォロワー増加のきっかけになります。
もともと、インスタはTwitterのようなシェア機能がそなわっていないので、拡散力の弱いSNSです。そのため、フォロワー獲得にはハッシュタグ検索で上位に表示されたり、他のSNSからの流入をねらったり、といった手法しかありませんでした。
しかし、リールはフォローやいいね、コメントといったユーザーのアクションを元にしてランダムに動画を表示させます。ユーザーのアクションがリールの表示を決めるアルゴリズムに影響するので、魅力的なリールを投稿すれば、一気に多くのフォロワーを獲得することができるのです。
リールのアルゴリズムについては以下の記事をご覧ください。
インスタアカウントの価値が上がる
リールを利用することで、インスタアカウントの価値が上がるのもメリットのひとつです。
インスタではリールの他、ストーリーズやライブなど、さまざまなフォーマットで多様なコンテンツを投稿すればアカウントの評価が上がると考えられています。そのため、厳密に言えば、リールを使っているだけでアカウントの評価が上がるわけではありません。
しかし、アカウントに対していい評価を求めるなら、リールの積極活用は避けられないと言えます。さまざまなフォーマットをバランスよく使いこなし、多彩なコンテンツを投稿してアカウントの評価を高めていきましょう。
インスタ内でのリール作成方法
リールの作成方法は以下のとおりです。
- アルバムの動画からリールを作成
- アルバムの静止画からリールを作成
- 音源・アフレコ・サウンドエフェクトを活用
この項目を読めば、動画からの作成方法と静止画からの作成方法、音源やエフェクトの使い方がわかります。
アルバムの動画からリールを作成
アルバムの中にある動画からリールを作成する場合、複数の動画を組み合わせてショートムービーのような動画を作ります。
まず、作成画面の左下に四角いアイコンがあるのでタップし、保存されている動画の一覧を表示させます。続いて、一覧の中から動画を選び、使いたい部分を切り取ってください。
画面下にある白いバーで調整し、その状態でよければ画面右上にある「追加」を押します。すると画面の上に最大90秒のうちどれだけの時間分を使ったかがわかるので、再生時間に余裕があれば動画を追加していきましょう。
動画の追加工程は1つ目と同じです。追加して合計90秒以内に収まれば完成です。
アルバムの静止画からリールを作成
リールでは、アルバム内の静止画を使ったスライドショーのような動画を作成できます。
動画作成時と同様にリール作成画面の左下のアルバムを開き、最初に使いたい静止画を選びます。デフォルトで写真1枚につき5秒の尺が設定されているので必要に応じて調整し、好みの尺の長さになれば追加をタップしてください。尺の調整は、画面下の白い枠で行います。
1枚目の調整が終われば、必要に応じて同じ工程で写真を追加し、調整していきましょう。
音源・アフレコ・サウンドエフェクトを活用
動画や静止画の作成が完了したらプレビューを選び、移った画面で音符のボタンをタップします。すると「音楽」「ボイスオーバー」「サウンドエフェクト」の項目が画面下に表示されます。
音楽では、BGMの設定が可能です。リールで流したいBGMを検索し、好みの音楽が見つかればBGMのどの部分(Aメロ、サビなど)を使用するかを設定します。設定はバーを動かして行います。調整が終われば画面右上の「完了」を押してください。
ボイスオーバーでは、動画にアフレコできます。声を出せない施設内や店内を撮影したときに、後でナレーションや補足説明を入れるときに使うのが一般的です。大きな赤い丸ボタンを押すと録音スタート、もう一度押すと録音が停止します。アフレコしたい動画の位置については、中央にあるバーを使って設定します。
サウンドエフェクトでは、効果音を追加可能です。動画を再生してエフェクトを入れたいタイミングが来たら、拍手音やドアベルなどのエフェクトボタンをタップして効果音を挿入します。挿入する効果音は一度に複数選ぶこともでき、元に戻したいときは「戻る」ボタンを押せばひとつ前の工程に戻ります。
最後に動画全体の音量を適切に調整すれば完了です。
インスタリール作成におすすめの動画編集アプリ3選
この項目では、インスタのリール作成でおすすめの動画編集アプリを3つ紹介します。
- インスタリール作成おすすめアプリ① Cap Cut
- インスタリール作成おすすめアプリ② InShot
- インスタリール作成おすすめアプリ③ VLLO
上記のアプリを利用すれば、スマホで簡単かつ高度な動画編集ができます。
どのアプリが自分に合いそうか、チェックしてみてください。
インスタリール作成おすすめアプリ① Cap Cut
CapCut(キャップカット)は、パソコン用の動画編集ソフトに負けないくらいの編集機能を備えています。非常に多機能で、クオリティの高い動画編集がスマートフォンひとつでこなせるので人気があります。
CapCutでできる主な内容は以下のとおりです。
- 動画編集
- チュートリアル動画の閲覧
- TikTokと連携することで使用可能になる機能
リール作成でメインとなる動画編集の機能には以下の内容があります。
- 動画のカット・再生速度の変更
- BGMの挿入・音声の調整
- テキストの追加
- スタンプの挿入
- オーバーレイの挿入
- エフェクト
- フィルター
- 動画フォーマットサイズの変更
- ダウンロード
動画編集におけるオーバーレイとは、映像の上に映像を合わせることを言います。
フィルターは動画の素材の色調を変える機能です。ダウンロードは、自分で作成した動画を他のSNSでシェアできます。
CapCutの注意点として、利用は13歳以上で、18歳未満の未成年は保護者の同意が必要なことです。また、商用利用は認められていません。CapCutで作成した動画や曲は、ビジネスでの利用を認められていないので注意しましょう。
インスタリール作成おすすめアプリ② InShot
InShotは、初心者向けとして知られるスマートフォン専用の動画編集アプリです。HD対応で、解像度を下げることなく編集できるため、動画を高画質な状態で確認しながら手を加えたい人におすすめです。
リール作成におけるInShotのメリットは以下の内容になります。
- 動画のトリミング、中間部分のカット、速度調整などが簡単
- 操作が縦向き画面に最適化されている
- 動画や写真を正方形にできる
- アプリ内には無料のBGMやサウンドエフェクトが用意されている
- フォント、スタンプの種類も方法でデコレーションも簡単
デメリットは複雑な編集には対応できないこと、一部の素材は有料アップデートが必要なこと、などが挙げられます。
インスタリール作成おすすめアプリ③ VLLO
VLLO(ブロー)も機能が非常に充実しており、多くのインスタユーザーに利用されているおすすめのアプリです。
VLLOでできることは以下のとおりです。
- カット編集
- 音の編集(効果音一部有料)
- テキスト編集
- POP編集(一部有料)
- 共有・保存機能
VLLOのメリットは以下の内容になります。
- 不要な部分のカットが簡単(分割ボタンがわかりやすいのでカットしやすい)
- テキスト加工の種類が豊富
- モザイク機能もある
- 無料で使えるBGMの種類が豊富
デメリットは、操作メニューに多くのボタンが配置されているので、慣れるまで少しとまどうことです。
インスタでおすすめに表示されやすいリールとは
この項目では、インスタでおすすめ表示されやすいリールの特徴について解説します。
具体的な内容は以下のとおりです。
- 人気のBGMを使用
- 見続けたくなるストーリー性のあるリール
- 繰り返し見たくなる要素を持っている
- トレンドを押さえたリール
リールはおすすめ表示されることで多くのユーザーの目に触れます。露出が多くなればなるほど動画が再生される可能性も高まり、多くのフォロワー獲得につながります。
あらかじめおすすめ表示されやすいリールの特徴を知っておけば、ユーザーに見られる動画を作りやすくなるでしょう。
人気のBGMを使用
人気のある曲や流行りのBGMを使ったリールを投稿すると、おすすめ表示されやすくなります。
リール動画の画面下に表示されている音源名をタップすると、そのリールで使われているBGMと同じ音源を使っているリールの一覧画像が表示されます。この一覧画像に自分のリールが表示されれば、より多くのユーザーに見られる可能性が高くなり、再生回数が増えておすすめ表示されやすくなるのです。
言うなれば、BGMつながりで自分のリールの露出を増やすわけです。
見続けたくなるストーリー性のあるリール
起承転結のある動画もおすすめ表示されやすくなります。ストーリー性の高い動画は先の展開が気になってしまい、離脱しにくくなるからです。
掴みの3秒でユーザーを引きつけ、起承転結のある構成にすれば視聴補完率(最後までリールを見られる率)も上がるでしょう。また、魅力的なストーリーなら保存されやすく、何度も再生される可能性が高くなります。
ストーリー性の高い動画で必要な要素としては、起承転結の他、テンポがいい、明るく楽しいといった内容を含むことも大切です。さらに、動画のサムネイルや文章にも気を配りましょう。
繰り返し見たくなる要素を持っている
繰り返し見たくなる要素もリールがおすすめ表示されるために必要です。一度見て終わりの動画ではなく、何度も見返したくなる動画を用意すれば、一人のユーザーが何度も見てくれます。
このように複数回視聴してくれるユーザーを増やしていけば、再生回数はどんどん伸びていくでしょう。例を挙げると、一人のユーザーが10回見てくれて、その人数が1,000人になれば1万回の再生になるといった具合です。
インスタは、多くのユーザーにインスタ内のコンテンツを楽しんでもらいたいと考えています。そのため、自分のリールが再生回数を伸ばしていれば、インスタもより多くのユーザーに対しておすすめとしてプッシュしてくれるわけです。
繰り返し見たくなる動画の代表例は、素晴らしい絵や工作を実際に制作している内容や、作り方を紹介している内容の動画があります。「こんな凄いものをどうやって作っているのか?」と疑問を抱かせるのがポイントです。
トレンドを押さえたリール
クリスマスやハロウィンなどの季節のイベントや、トレンドを押さえたタイムリーなリールも再生回数が伸びる傾向にあります。ターゲットの性別や年齢などを考慮し、ユーザーのニーズに合った動画を投稿すれば、多くのユーザーの目に留まっておすすめ表示されやすくなるでしょう。
また、30代以降のユーザーはリール表示を歓迎しない傾向が強く、リールを見てもすぐに離脱する人が多めです。そのため、ターゲットにするならTikTokなどのショートムービーに馴染んでいる10~20代がおすすめです。
TikTokを使っている10~20代はインスタも利用している割合が高いので、ショートムービーに慣れている若年層向けのリールを作るのもひとつの選択肢でしょう。
インスタのリールを活用してアカウントを伸ばそう
これまで、「ショート動画と言えばTikTok」というイメージでしたが、現在、インスタのリールはTikTokに変わるツールとしてさまざまな場面で利用されています。
リールは再生時間が最大90秒という短さのため、多くの動画を短時間で見られるという手軽さがあります。ユーザーが時間を忘れて没頭できる要素があるので、今後、ビジネス向けの機能が追加されれば、より活用の選択肢が広がるでしょう。
また、リールを有効活用できているユーザーが現在少ないため、今リールの扱いに慣れておけば先行者利益としてのメリットも得られるかもしれません。
「始めるなら、今」と言えるリール。本記事のリール作成方法やおすすめアプリを活用して、まずは体験してみてはいかがでしょうか。
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